CASE STUDY

2026.06.01 公開

入社初日に83%が「人を大切にしている会社だと実感」。kiCkのウェルカムブック導入事例

入社初日の受け入れ体験をどう変えたのか。受け取った社員18名のアンケート結果と人事担当者の声をもとに紹介します。

kiCk 藤原様 ウェルカムブック紹介カット

この記事でわかること

  • kiCkが入社初日の不安にどう向き合っているか
  • ウェルカムブック導入の出発点になった課題感
  • 受け取った社員18名へのアンケートで見えた効果
  • 人事や現場の負担を増やしにくい運用設計

入社初日に83%が「人を大切にしている会社だと実感」。
その背景にあったもの

新しい会社に入る初日、多くの人が少なからず緊張しています。新卒でも中途でも、「このチームでやっていけるだろうか」「どんな人たちがいるのだろうか」「受け入れてもらえるだろうか」という不安は、想像以上に大きいものです。

一方で、企業側の受け入れはどうしてもPCセットアップや制度説明、オフィス案内などの事務連絡が中心になりがちです。歓迎する気持ちはあっても、それが本人に十分伝わるとは限りません。

株式会社kiCkでは、そのギャップを埋めるために、入社初日にウェルカムブックを手渡しています。受け取った社員へのアンケートでは、83%が「人を大切にしている会社だと実感できた」と回答しました。

この数字から見えてくるのは、単なるサプライズ施策として喜ばれた、ということだけではありません。「この会社は人を大切にしている」という組織の姿勢が、初日の体験を通じて伝わっていること。そして、歓迎されている実感が、その後の関係構築の土台になっていることです。

こうした初日の不安に、kiCkではどう向き合っているのか。

kiCkで人事を担う藤原建佑さんは、入社オリエンテーションを自ら担い続けています。会社のビジョンや大切にしている考え方を直接伝えるだけでなく、初日に複数の部署のメンバーを紹介するのも、不安を和らげるための設計の一部です。

それでも、藤原さんには感じていた課題があったといいます。

会社としての歓迎は伝えられても、現場のメンバー一人ひとりが、あなたをどう待っていたかをその場で可視化して伝える手段がありませんでした。

説明が終わって現場に送り出すまでの時間を、もっと特別な「迎え入れの体験」に昇華させたい。この課題感が、ウェルカムブック導入の出発点になりました。

相手の存在そのものを認め、「見ているよ」「迎え入れているよ」と伝えること。心理学でいうアクナレッジメントに近い感覚を、言葉と形で渡せる手段が必要だったのです。

kiCkが導入したウェルカムブックとは

kiCk ウェルカムブック表紙

株式会社kiCkでは新しいメンバーが入社するたびに、既存メンバーの顔写真・自己紹介・歓迎メッセージを一冊にまとめたウェルカムブックを制作し、入社初日に手渡しています。

構成はシンプルですが、初日の受け入れ体験としては非常に強い内容です。

  • 表紙: チームの雰囲気が伝わるデザイン
  • プロフィールカード: 名前、ニックネーム、職種、趣味、座右の銘、会社の好きなところ、歓迎メッセージ
  • 掲載人数: 約50名
  • 全体ページ数: 11ページ

単に「よろしくお願いします」が並ぶだけではなく、その人の趣味や価値観、言葉のトーンまで見えることで、「この人に話しかけてみよう」が生まれます。初日にまだ会っていない相手の顔と名前が一致しているだけでも、不安はかなり和らぎます。

受け取った瞬間に、初日の空気が変わる

kiCk ウェルカムブック手渡しシーン

実際に初めてウェルカムブックを渡したとき、最も印象的だったのは、受け取ったメンバーの表情の変化だったそうです。

お渡しした瞬間、まず返ってくるのは「えっ、これは何ですか!?」という驚きの表情と声です。

よくある寄せ書きや色紙ではなく、デザイン性のある“本”の形で渡されること自体がまず驚きになります。さらに、その中にこれから一緒に働く現場メンバー全員の歓迎メッセージが入っていることで、意味が一気に立ち上がります。

一番印象的なのは、その場でページをパラパラとめくった瞬間のメンバーの表情の変化です。

緊張で少し硬かった顔が明るくなり、「こんな方がいるんですね」「こんな風に歓迎してもらえるなんて、本当に嬉しいです」と笑顔になってくれる。藤原さんは、その様子を見ていると、相手が抱えていた「受け入れてもらえるだろうか」という不安が、メッセージを通じて「ここに居場所がある」という安堵感に変わっていくのが伝わるといいます。

その価値は、単なるその場の感動にとどまりません。初日や入社間もないタイミングでこれをもらうことで、「自分はみんなから歓迎されているんだ」「こんな人がいるんだ」と感じられる。実際に、社内で会ったときに「BOOKの○○さんですよね?」と声をかける会話のきっかけになり、まだ会ったことのない社員との橋渡しにもなっているそうです。

ちょうど最近も、新卒メンバーへの入社オリエンの最後にウェルカムブックを渡したところ、とても喜んでいたとのこと。「これがあると、より顔も覚えられるし、家でもゆっくり読んでみようと思える」という反応があったといいます。

さらに印象的なのは、社内にとどまらない広がりです。

あるメンバーは「こんなに歓迎してくれる会社なんだよ、と家族にも見せてあげたい」と言ってくれました。

入社という人生の節目に、本人だけでなくその家族までもが安心できるような体験になっている。それが、kiCkにとってのウェルカムブックの価値でした。

受け取った社員18名へのアンケートで見えたこと

SURVEY INSIGHT

ウェルカムブックは、初日の印象で終わらず、
関係づくりのきっかけとして残っていく

83%

人を大切にしている会社だと実感

会社の姿勢が、初日の体験として伝わる。

78%

入社初日のサプライズが嬉しかった

72%

顔と名前がわかって安心した

61%

その後もたまに読み返している

44%

趣味などが会話のきっかけになった

2026年4月、kiCkに中途入社した社員18名を対象にアンケートを実施しました。対象者の入社時期は2024年8月〜2026年4月で、営業・デザイナー・プランナー・総務など幅広い職種から回答を得ています。

特に重要なのは、「人を大切にしている会社だと実感できた」が最も高かったことです。オンボーディング施策というと、制度設計や研修設計に目が向きがちですが、実際には「歓迎されている実感」そのものが、入社初期の体験価値を大きく左右しているとわかります。

また、72%が「まだ会ったことのないメンバーの顔と名前がわかって安心した」と回答しており、ウェルカムブックが心理的安全性の立ち上がりにも寄与していることが見て取れます。初日に全員と話せなくても、顔と名前と人となりを知っているだけで、その後のコミュニケーションのハードルは下がります。

現場では、会話のきっかけと空気感の変化が起きていた

kiCk 藤原様 インタビューカット

kiCkでは、ウェルカムブック導入後の変化を、単にアンケート結果だけでなく日々の現場でも感じているそうです。

受け取った社員からは、次のような声が寄せられています。

皆さんからのメッセージは予想以上に嬉しいサプライズでした。家族にも自慢できる要素として、これからも続いてほしいと感じました。 — 入社1年目・総務

少しメンバーの人となりを知った後に読み返すと、「この人はこんなことを書いてくれていたんだ」と気づくことができ、時間が経ってからも楽しめました。 — 入社2年目・デザイナー

入社直後で不安なところもあったので、迎えられているという気持ちになって嬉しかったです! — 入社1年目・クリエイティブプロデューサー

デジタルの歓迎メッセージは便利ですが、流れていきます。一方で、ブックは物として残るため、後から読み返されます。入社初日にはまだよく知らなかった相手のコメントも、配属後や数カ月後に読み返すと意味が変わる。受け取った瞬間だけでなく、その後の関係構築まで含めて価値が続くのが、ブック形式の強みです。

藤原さんも、現場でこんな変化を感じているといいます。

入社して間もないメンバーが現場に合流した際、ブックの内容をフックに会話が始まっているのをよく見かけます。

ブックを通じて、初対面の心理的な壁が最初から少し低くなっているのではないか、と感じています。

「会社からの説明」だけで終わらせず、現場のメンバーを可視化したことで、組織全体の迎え入れる空気感がより柔らかくなる。kiCkでは、そうした実感レベルの変化が、日々の現場で積み上がっているようです。

藤原さんによれば、ウェルカムブックの導入を本格化した2024年8月以降、採用人数が増えるなかでも離職率には改善傾向が見られているといいます。ただし本人も、それはウェルカムブック単体の効果ではなく、日々のコミュニケーションや受け入れ体制全体の積み重ねだと捉えています。そうした前提のうえで、ブックが初期の心理的な壁を下げ、「早くこのチームに馴染みたい」という前向きな意欲につながっている実感がある。そこに、kiCkが感じている手応えがあります。

運用面でも、現場と人事の負担を増やしにくい

kiCk ウェルカムブック中面

オンボーディング施策でよくある懸念が、「よさそうだが、運用が重そう」という点です。kiCkでも導入前は、採用人数が増えるなかで継続運用できるかが大きな懸念だったそうです。

そんな多忙な時期に、毎回数十名からメッセージを回収して形にするのは、人事や現場にとって相当な負担になるのではないか……と。

しかし実際には、運用負荷は想定より低かったといいます。

URLひとつでメッセージを募れますし、誰が書いてくれたかの進捗管理もシステム上で見ることができます。

回収の督促やレイアウトの調整といった事務作業に追われることがほとんどありませんでした。

さらに、都度メッセージを集める方法だけでなく、既存社員の歓迎メッセージを一定期間固定で活用する運用も可能です。一度入力してもらったものを継続活用できれば、現場負荷と人事負荷をさらに軽減しながら運用できます。

この視点は、kiCkのような規模だけでなく、年間で数百名、数千名が入社する企業を考えるうえでも示唆があります。すべてをフルカスタマイズしなくても、部門ごとに近い設計を使う、同じものを渡すといった運用でも、一定の効果は十分に見込めるはずです。つまり、ウェルカムブックは“凝った一回限りの施策”ではなく、運用設計次第でスケール可能な受け入れ基盤として考えられます。

藤原さんは、導入の価値を次のように整理しています。

人を大切にするという想いは、属人的な努力だけでは、組織が大きくなった時にいつか限界が来ます。

今回、スゴヨセを導入したことで、人事や現場の負担を増やさずに仕組みとして定着させられて、結果としても離職率が下がっているのは、私にとって大きな収穫でした。

文化は大事ですが、文化だけではスケールしません。だからこそ、歓迎の質を保ったまま運用できる仕組みとして設計されていることに意味があります。

kiCk事例から見える、ウェルカムブックの価値

kiCkの事例を一言でまとめると、ウェルカムブックは「豪華なノベルティ」ではなく、受け入れ体験を設計するオンボーディング施策だということです。

この事例から見えるポイントは、主に次の3つです。

POINT 1

初日に「歓迎されている実感」を届けられる

POINT 2

顔と名前、人となりがわかり、会話の起点になる

POINT 3

一度きりの施策ではなく、運用可能な仕組みとして回せる

採用競争が激しくなるほど、入社後の立ち上がり体験は重要になります。制度や研修だけでは埋めきれない部分を、こうした「最初の感情設計」が支えるケースは今後さらに増えるはずです。

まとめ

kiCkでは、ウェルカムブックによって入社初日の体験を「説明される日」から「迎えられる日」へ変えていました。その結果、受け取った社員の83%が「人を大切にしている会社だと実感できた」と答えています。

kiCkの事例が示しているのは、単に“喜ばれる施策”で終わっていないことです。会社の姿勢を伝え、現場の歓迎を可視化し、会話のきっかけをつくり、属人的な努力を仕組みに変えていく。ウェルカムブックは、その一連の受け入れ体験を設計するための手段として機能していました。

オンボーディングは、制度設計だけで完結しません。最初にどんな感情を手渡せるか。その設計が、定着や関係構築の土台になります。

入社初日の歓迎体験を、現場メンバーの言葉で設計しませんか。

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